FOMC前に日経平均は小幅反発、節ガスでも間に合わない欧州のガス事情

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  • 2022年7月27日
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7月27日水曜日の日経平均は、前日比+60円高の27,715円となり3日ぶりの反発。

昨晩の米国市場はダウ平均▲228ドル、ナスダック指数▲220ポイント安と大きな下落を見せました。日経平均の前場は前日比マイナスでの推移となりましたが、後場に入るとプラス圏に入り、そのまま小幅高で本日の取引を終えています。

EUは昨日26日、8月から2023年3月までの天然ガスの消費を過去5年の平均に比べ15%減らすことで合意しました。天然ガスの多くをロシアに頼るEU加盟各国は、ウクライナ危機にともなうロシア経済制裁の対抗措置でロシアからガス供給が絞られた状態にあります。

先週、メンテナンスから回復したガスパイプライン「ノルドストリーム1」は、メンテナンス終了後にガスの供給量を通常時に比べ20%前後に引き下げる、とロシア側から通告を受けています。簡単にいえば、ガスの供給が約8割減ってしまう訳で、EUとしては一大事です。

現在は夏であり天然ガスの需要はそれほど膨らんでいません。しかし、例年夏は冬に向けてガスの貯蔵を増やす時期です。その夏に貯蔵が増やせないということは、今年の冬の暖房用のガス枯渇リスクがある、ということに他なりません。

日本に比べ寒い欧州では、ガス不足は凍死リスクにつながるため、各国は現在ガスをかき集めている状態です。そんな事情を背景に、EUは約15%の節ガスを決定しました。ただしこれで冬のガスが足りるかといえばそうはならず、ドイツ政府高官からは産業別にガスの供給制限も視野に入れている、との発言も出ています。

欧州は脱炭素とともにロシア産のガス依存を進めた経緯があります。しかし完全に裏目に出てしまいました。中東からのLNG受け入れ検討が進むものの、受け入れ基地の絶対数が足りておらず、今年の冬には間に合いません。EUの節ガスは必要不可欠ですが、それだけでは間に合いません。

EUが脱炭素とガス不足をどのような形で折り合いを付けるのか、今後の行方が注目されます。ちなみに、日本は原発再稼働で今年の冬の電力不足はギリギリ回避の見込みですが、一歩間違うとEUは他人事ではありません。

今晩はFOMCで利上げの決定が予定されています。FOMCを明けて日経平均は新たな値動きが生じることになるのか、明日以降の金融市場の行方が注目されます。