日経平均の週足は長い陰線で28,000円割れ、米10年債金利の行方に注目

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  • 2022年9月20日
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先週の日経平均

先週の日経平均は28,000円台半ばで取引を開始したものの、28,000円を割れて取引を終了。前の週の反発分のほとんどが取り消される下落となりました。14日(水)にダウ平均が▲1,000ドルを超え下落するなど米市場の下落が続き、国内市場も米国市場と同様に下落しています。

先週の日経平均週足の4本値は下記となっています。

始値 28,483円

高値 28,659円

安値 27,525円

終値 27,567円

日経平均の週足は長い陰線を形成しました。前の週は陽線を形成したものの、先週の陰線は前の週の陽線をカバーする陰線であり、包み足というパターンで今後の下落を示唆しています。ただし7月末以降、27,500円付近が支持帯となっており、先週の終値付近で一旦反発する可能性もあります。

今週は27,500円付近の支持帯が機能するのか、という点が最初の見所です。

米長期金利の上昇続く、2年債と5年債金利から離れた10年債金利の行方は?

米長期金利の上昇が8月から続いています。米長期金利は6月半ばに天井を迎え下落しましたが、8月に入ると再度上昇を開始。指標となる米10年債金利は6月の3.49%を超えていませんが、2年債と5年債は既に6月の水準を突破し、更に上昇を続けています。

インフレの長期化を背景に、FRBは継続的な利上げを行う意向であり、今週21日(水)のFOMCでも利上げが決定される予定です。FRBの利上げを織り込む形で米長期金利の上昇は続いており、理屈の上では長期金利の上昇は筋が通っています。

ただし米10年債金利が3.4%台で横ばいの一方、米2年債金利が3.8%台、米5年債金利が3.6%台です。期間の短い債券の金利が期間の長い債券の金利よりも高い、という逆転現象が発生中です。更に2年債と5年債の金利はリーマンショック前の水準を回復しており、2年債と5年債の金利はイレギュラーな動きを見せています。

米長期金利はドルや米株式市場の値動きに大きな影響を与えます。投資家に最も多く取引され債券の指標となっている米10年債金利は、3.4%台を前後する状態で落ち着いており、ドルも足元では概ね横ばいの推移となっています(9月のドル円の急騰は円安要因)。しかし米10年債も2年債と5年債のように3.4%台を突破すれば、連動して更にドル高と株安が進む可能性も否定できません。

今週は21日(水)のFOMCで利上げの決定が予定されています。2年債と5年債は利上げを織り込む形で事前に上昇していますが、21日の利上げ決定後に米10年債金利がどのような動きを見せるか注目されます。

米2年債と5年債金利に向けて、10年債金利が3.4%台の天井水準を上方ブレイクするようなら、新たなドル買いと共に様々な市場に影響を与える可能性があり注意が必要です。

2度目の大相場を演じていたダブル・スコープのストップ安

9月16日(金)にダブル・スコープ<6619>がストップ安(▲16.78%)となり取引を終えました。2022年は株式市場が盛り上がらない中で、同銘柄は5月当初の1,000円割れから9月15日の3,000円突破まで駆け上がった、本年の国内市場を代表する銘柄です。半年たたずに株価が約3倍になりましたが、3,000円台到達の翌日にストップ安であり、今後の行方は予断を許しません。

実はダブル・スコープの株価急騰は本年が最初ではありません。2015年から2016年にかけても株価は急騰しており、2015年春に400円台にあった株価は2016年5月には3,675円まで上昇しました。1年近くで約9倍になっており、2022年も“夢よもう一度”と個人投資家が期待する面は否定出来ません。

2015年から2016年は約1年かけて株価が大きな伸びを見せました。しかし、今回は本年6月と8月の株価の伸びが急であり、もし3,000円台を維持していれば、9月も6月同様に株価は大きな伸びとなっていました。よって前回に比べると、株価の伸びが急な一面があります。

16日のストップ安は、子会社上場の期待感の後退が背景にあります。ストップ安の後、連休及び週明けの20日はどのような価格で寄り付き、そして来週はどのような値動きを見せるのか。個人投資家中心に仕手株となっているダブル・スコープ株の行方が注目されます。

まとめ

今週は19日(月)が敬老の日、23日(金)が秋分の日であり、国内株式市場がオープンするのは火曜から木曜の3営業日のみです。16日(金)の米株式市場は小幅安で取引を終えましたが、19日(月)に米株式市場発で急落などがあると、連休明けの国内市場も波乱が生じる可能性もあります。

28,000円を割れて取引を終えた日経平均ですが、来週は28,000円回復の糸口を掴むことができるのか、米国市場の動向と共に注目されます。