・先週の日経平均
今週は市場関係者が夏休みから戻った週であり、2022年後半の相場が実質的にスタートしました。ただし、後述するジャクソンホール会議でのFRBパウエル議長の発言(26日金曜日)待ちの週となり、週の後半にかけて金融市場は様子見モードに。
その中で先週の日経平均週足の4本値は下記となっています。
始値 28,654円
高値 28,828円
安値 28,282円
終値 28,641円
前の週に一時的ながら29,000円に到達しましたが、先週は29,000円にはタッチしていません。週足は実体が短く下ヒゲの長いローソク足となりました。ただし依然として2022年の高値圏を維持しています。先週は基本的に金曜日のジャクソンホール会議待ちであり、週足のローソク足からもその状況が見て取れます。
日経平均は本年の高値圏でもある29,000円目前の水準から上昇するか、反落するのか、いずれになるか節目の値位置に留まっている状態です。
・ジャクソンホール会議でのパウエル議長発言を受けてダウ平均▲1,008ドル安に
金融市場注目の26日金曜日のジャクソンホール会議でのFRBパウエル議長の発言は、インフレ退治の為に予想以上の利上げを行う可能性を示唆するタカ派的な内容となりました。米国のインフレはピークアウト観測も生じています。よって、これまでのタカ派スタンスを変更する可能性がある、としていた一部観測が完全に否定される形です。
そしてパウエル議長の、米国の景気悪化リスクをいとわずに利上げを行うスタンスが嫌気され、米株式市場は急落。最終的にダウ平均は▲1,008ドル安となり、▲1,000ドルを超える下落となりました。なお、海外先物の日経平均は28,115円で取引を終了。今週の日経平均は▲500円以上の下落で取引を開始する見込みです。
ジャクソンホール会議でのパウエル議長のタカ派的な発言は、主に株式市場に影響を与える結果となりました。一方、為替市場では若干円安が進むに留まっています。2022年の米株式市場は年初から下落が進んだものの、6月半ばからは反発。順調な上昇を見せていましたが、8月に入り上昇は止まり若干の下落を見せていました。そして、26日のジャクソンホール会議でのパウエル議長発言が急落の背中を押す形となっています。
パウエル発言に驚いた形の米株式市場ですが、事前のFRB関係者からの発言などで、パウエル議長のタカ派的な発言はある程度予想できる状態ではありました。よって、市場関係者の多くは発言の内容自体はそれほど驚いていません。むしろ、驚いているのは株式市場が急落したその反応です。
良くも悪くもサプライズなしとなったパウエル発言ですが、サプライズのない中で急落した株式市場は週明けどのような値動きを見せるのか、ジャクソンホール会議後の値動きが注目されます。
・金融庁が作成したひろゆき氏との対談動画が物議を醸す
金融庁は、金融庁幹部とひろゆき氏との対談動画を24日に公開しました。内容としては、資産形成についてNISA活用などの重要性を説くものです。ただし、なぜ役所である金融庁の幹部がひろゆき氏と対談し、更に動画としてアップしたのか物議を醸しています。
昨今ではメディアに頻繁に登場するひろゆき氏ですが、「2ちゃんねる」開設者として民事訴訟の敗訴後に巨額の賠償金を支払っていないとされています。賠償金の未払問題について、ひろゆき氏からは詳細の説明はなされていません。民事訴訟であり説明義務はひろゆき氏にはないものの、役所の金融庁がいくらメディアの人気者とはいえ、幹部との対談動画を公式サイトにアップするのは、役所としてはまずいといえます。
金融庁はタマに攻めたことをします。振り返ると「かぼちゃの馬車」で問題となったスルガ銀行について、地方銀行として独特のビジネスモデルを実践している、として絶賛していたのが金融庁です。理知的な金融関係者の多くが、?マークを頭に描いたスルガ銀行のビジネスモデルでしたが、ある意味で金融庁がお墨付きを与えてしまっていました。
最終的に不正発覚でスルガ銀行のビジネスモデルは破綻した訳ですが、金融庁も何を考えているんだか、と思ったのはひろゆき氏との対談動画の件が初めてではありません。
民事訴訟であり民間メディアへの出演はメディアがOKとすれば問題ありませんが、しかし民事訴訟とはいえ、賠償金の踏み倒し疑惑のある人物を役所のPR活動に起用するのは他者に示しがつきません。ルールを守らせる側の役所がルール破りを認めることになります。本件が今後どんな顛末となるのか、その行方が注目されます。
・まとめ
例年8月後半に開催されるジャクソンホール会議が終わると、その年の金融市場の後半戦が本格スタートします。
2022年はダウ平均が急落という結果となったジャクソンホール会議ですが、今年の株式市場の後半戦は6月半ばからの上昇分を維持出来るのか、という点が最初のポイントとなりそうです。ジャクソンホール会議後のダウ平均急落の影響がどの程度になるのか注目されます。